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クローゼットにできること。

単行本「同性婚で親子になりました。」を描いている時の話です。
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2015年に連載が始まり、当初は最後まで続くはずでした。
6話目までネームは進んでいましたが、編集側の都合で3話目で終了。
連載は終わりましたが、編集側としては単行本という形で出す意向がありますということで、100ページほどの内容でネームを切り2015年末に担当のOKがあり、後は会議でGOサインが出れば描き始めるという流れでした。
その後、編集部内でいろいろあったらしく、担当が替わり、130ページほどの内容にしてほしいということでネームを描き直し2016年初めごろにネームのOKが出て、GOサインが出たのが2016年12月。そこから1ヶ月半でカラーページを含め100ページ強を描き下ろし、細かい作業を経て4月に発売となりました。

というわけで、ネームの間に1年ほどいろいろ考える期間があって、読んでもらうにはどうしたらいいだろう、きちんと同性婚について調べたほうがいいんじゃないかということで資料を探し読んでいました。
公正証書について漫画で触れたかったり、他の方の体験も描いたほうがよいのかと試行錯誤しましたが、調べたものを描くと小学校の社会科の発表みたいになってしまうので、これはイカン、自分の体験だけで描ききらねば、と思いこのような形になりました。

編集側としたら、売るためにもっとアピールある内容にしてほしいと思ったでしょう。
でも、どうしても自分の意見を押し付けるような漫画にはしたくなかったのです。
ストーリー漫画を描く際もテーマがあってそこからストーリーを考えていくのですが、「自分はこう思いました」で終わらしたい。
エッセイ漫画でもスタンスは同じで、「自分は考えてこうしました」を提示して、そこから先は読者のものだと思っています。
議論はする気はない、ただただ内容に笑って・ほっこりして・楽しんでもらえればいいし、これで思うことができたなら万々歳で、新しい考えが生まれてくれたなら御の字だと思っております。

ただ、編集側としてはそうもいかなかったでしょう。読んでもらうには売れなきゃいけないし、売るためには話の内容は良くても演出や表現に魅力がなくてはならない。
そこで担当との打ち合わせですり合わせが行われるわけです。
今回の4ページの内容のとおりテーマは「現行の制度を使って楽しく暮らしています」ですが、「ゲイばれしたくないからクローゼットで生きているけど、黙っているといない人間として扱われあずかり知らぬところでいろいろ決められてしまうので、匿名でもこういう生活をしている自分がいることを表明することが大事」であり「それができる」ことを本を出すことで証明したかったのです。
そのことを初代担当に伝えたところ、意を汲み取っていただき、会議にかけていただいて単行本の話が最後までなくなることなく出版に至りました。

結果、ノロケ漫画なんですけどねw
ホントに、クローゼットなんだからこんなことしなくてもいいんだけど、同性婚云々に関わらずできる人はしたほうがいいなぁ。と思った次第です。

思ったより語っちゃった。
今回はまじめな話でした。
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コメント

 
興味深く読みました。「描きたい」と「売らせたい」の双方の思惑のせめぎあいで、本ができていくんですね~。ありがちな「教えてあげる」的な押し付けがなくて、同人誌のほんわかムードそのままで読めました。知らなかったこと(自分が誤解していたこともありました)もすんなりと入ってきました。いろんな人が読んでくれるといいですね。
コメントありがとうございます。
今回は編集側がこちらの考えをたくさん受け入れてくださったので、このような形になりました。
でも、自分でも思うけど「売れる本」という体裁ではないよなぁ、とも思いました。
なので、編集さんにはすごく感謝しています。
地味だけどじわじわ広がってたくさんの人に読んでもらえたら嬉しいです~。


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